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松田先生からのメッセージ(2017/2/25)

                                         Hello from Mamiko Matsuda,Ph.D. in Houston   Feb. 2017

 

日本のみなさん、こんにちは。

 

 クリントン元米国大統領の劇的減量と心臓病克服に貢献したことが全米で大きな話題となり、今では「あなたの命を救う本」として高く評価されている、200万部突破のロングベストセラー『チャイナ・スタディー』ですが、アマゾン・ジャパンのカスタマーレビュー欄に、最近、次のようなコメントが掲載されていることを知りました(下記参照)。

 

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RKE9JQTQXJORE/ref=cm_ cr_arp_d_viewpnt?ie=UTF8&ASIN=4901423207#RKE9JQTQXJORE

 

レビューの内容をそのまま受取ってしまう方もおいでかもしれませんし、キャンベル博士の研究結果の真意が伝わらないというのは、あまりに残念ですので、僭越ですが、キャンベル博士に代わって、この場で補足させていただくことにしました。

本来なら、このような補足や説明など必要とせずに、きちんと内容が伝えられなくてはいけないのでしょうが、その点につきましては、訳者としても忸怩たる思いで責任を感じています。レビュアーの方と同じような感想を抱いてしまわれる読者がこれ以上増えないことを願っています。

 

  

 

カスタマーレビューのコメントの要旨① 【ネズミの実験】

 ネズミに高タンパク食(カゼイン)を与えた場合、肝臓ガンが有意に発生したが、小麦タンパク、大豆タンパクではガン発生が抑えられたのは、そもそもネズミの食餌は穀物なので、ふだん食べていない牛乳由来のカゼインを与えれば悪影響が出るのは当然ではないのか。

 

 

<私からのコメント>

 実験に用いたネズミは、糖質(穀物)を好むハツカネズミ(マウス/mouse)ではなく、雑食で知られるドブネズミ(ラット/rat)です。中でもチーズは大好物の一つで、チーズのタンパク質の8087%はカゼインです。このレビュアーの方が指摘しているように、カゼインがドブネズミの食餌としてふさわしいものでないならば、そもそもチーズを好んで食べるようなことはないでしょう。

 

 

 

◆カスタマーレビューのコメントの要旨②【オーガニックの牛肉】

 

 

動物性のタンパク質が有害だというのは、タンパク質ではなく、肉に含まれるホルモン剤のせいではないだろうか。本書には400もの参考文献が記載されているのだが、「牛肉に含まれる化学物質」についての参考文献は提示されていない。アメリカの牛肉がダメだから、あらゆる牛肉がダメというのは乱暴である。

 

 


<私からのコメント>

キャンベル博士は、『チャイナ・スタディー』の本文中で、たびたび次のような主旨のことを述べています。

 

──動物性食品(肉類・乳類・魚介類)がガンの形成や成長のメカニズムに与える影響に関しては、オーガニックであろうとなかろうと関係ない(すなわち、女性ホルモンや農薬などが含まれていようとなかろうと、またアメリカ産であろうとなかろうと関係ない)。牛の飼育中に与えられる成長ホルモン、女性ホルモン、農薬などによるものとは「まったく別のメカニズム」によって人体に影響を与えている。

<以下の本文参照:タンパク質の摂取量とガン細胞形成の関係(128131ページ)、「ガン病巣の成長」に与えるタンパク質の影響(131138ページ)、環境化学物質に対する考え方(361363ページ)>

 

 牛肉はオーガニック、非オーガニック、国産、輸入を問わず、その中に含まれている栄養成分はほぼ同じです。つまり、抗酸化栄養・食物繊維はほとんどないか、まったく含まれていません。その一方、植物性食品には含まれていないコレステロールを含み、タンパク質と脂肪は体が必要としている以上に多く含まれています。

このような「人体にとってはアンバランスで不都合な栄養構成」によって、ガンや心臓病などのリスクを高めてしまうのです。

 

農薬やホルモンが食物産業に利用されるはるか以前、「人々が動物性食品を多く食べ始めるようになったときから、すでにガンや心臓病になる人は増えていた」(『チャイナ・スタディー』511ページ)というのは、こうした理由があるからです。

 

動物性食品の本当の脅威とは、ホルモンや農薬といった化学物質にあるのではなく、「栄養成分が、体を健康に維持していくうえでの栄養成分のバランスの問題」という点にあるのです。

 

したがって、牛肉に含まれる化学物質に関する参考文献を『チャイナ・スタディー』に提示する必要は全くないのです。なお、レビュアーの方は「本書には400もの参考文献が記載」と書かれていますが、『チャイナ・スタディー』には、750余りの文献が記載されています。

 

◆カスタマーレビューのコメントの要旨③ 【チャイナ・プロジェクト】 

本書に記されている「中国での食習慣と健康調査」では、各地域から100人ずつ採血した血液をひとまとめにして検査したようなのだが、これが本当だとしたら疑問が残る検査方法である。中国は確かにアメリカに比べてガン死亡率は低いかもしれないが、平均寿命はアメリカの方が長い。動物性タンパク質を摂取したほうが長生きするのではないのか。

<私からのコメント>

 中国で行なった「チャイナ・プロジェクト」の調査方法に関しては、『チャイナ・スタディー』の(246258ページ)に詳細が記されています。

 

この調査が行なわれた1980年代初め、中国農村部では現在と違い、マクドナルドのようなファストフード・レストランは一つもなく、人々は生まれた地域から移住することもほとんどなく、生涯同じ地域に暮らし、全員がほぼ同じような食習慣をしていました。

 

そのため、彼らの血液中の栄養のバイオマーカー(指標)を、北京や上海などの

都市部に住み、欧米風の食事をしている人々の指標と比較したとき、ガン・心臓病・糖尿病・骨粗鬆症のような病気は、食習慣の違いによるものであることが明白となったのです。(『チャイナ・スタディー』第4章参照)

 

中国の平均寿命がアメリカより短い最大の理由は、インフラが不十分な農村部に肺炎、結核、消化器系の病気、寄生虫病など、「貧しさが原因の病気」が多いことにあります。動物性タンパク質を摂取していないことが原因ではありません。

 

先進国では、病気で長生きしている人が多いため、平均寿命は長いのですが、「平均寿命が長いこと」は必ずしも「健康」を意味するものではありません。

 

※レビュアーの方は長文で9点にわたり意見を述べられています。残りのコメントに関する私の見解は、次回に譲ります。