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松田先生からのメッセージ(2013/12/05)

                                                         Hello from Mamiko Matsuda,Ph.D. in Houston Dec. 2013

 

 

日本のみなさん、こんにちは。

 

アメリカで大ヒットを続けているドキュメンタリー映画『Forks Over Knives』の日本語版DVD『フォークス・オーバー・ナイブズ~いのちを救う食卓革命~』が発売されてから、ほぼ1年になろうとしています。アマゾンのチャートを見てみると、日本でもドキュメンタリー映画部門の上位にランクされていることから、かなり人気の高いこと が伺えます。

 

ただ、この映画を見た人の中には、映画が伝える「ホールフードでプラントベースの食事こそが、心臓病・糖尿病・ガンといった深刻な病気の予防・改善の最強の武器となる」というメッセージに対して、懐疑的になっている人も少なくないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(私が手に持っているのは、米国製オリジナルの『FORKS OVER KNIVES』と日本語版『フォークス・オーバー・ナイブズ~いのちを救う食卓革命~』のDVDジャケットです。)


 

 

 私は日本のみなさんから次のような質問を受けることがよくあります。

──キャンベル博士やエセルスティン博士は「ホールフードでプラントベースの食事」をすすめているが、日本のメディアが報じる医師や栄養士の見解は、肉や乳製品摂取こそが、健康長寿の秘訣であり、野菜をたくさんとることはむしろ有害だとしている。この映画のメッセージは日本人には当てはまらないのではないか。

 

 私はこうしたみなさんからの声を聞くたびに、「栄養摂取と健康・病気との関係」について、正しい情報が伝わっていない日本のみなさんのことがお気の毒に思えてなりません。

 

日本の栄養学の現状は、『Fit for Life』(邦訳『フィット・フォー・ライフ』グスコー出版刊)の初版が刊行された1985年当時のアメリカの状況とよく似ています。当時のメディアには、「バランスのとれた食事こそが健康長寿の秘訣である」として、『Fit for Life』が推奨する「ホールフードでプラントベースの食事」を真っ向から否定する医師や栄養士の見解がよく紹介されていたものです。

 

 しかし時は移り、キャンベル博士の『The China Study』(邦訳『葬られた「第二のマクガバン報告」』グスコー出版刊)や、エセルスティン博士の『Prevent and Reverse Heart Disease』(邦訳『心臓病は食生活で治す』角川学芸出版刊)が出版され、またPCRM(責任ある医療を推進する医師会)ほか、多数の健康関連組織が「ホールフードでプラントベースの食事」の病気予防&健康増進効果についてインターネットを通して発信するようになり、状況は一変しました。

 

「ホールフードでプラントベースの食事」を構成する栄養成分の優れた健康効果を証明する研究は、過去100年の間だけでも多くを数えます。動物からさまざまな人種の人間まで、その研究対象の幅の広さと内容の奥深さの点で目を見張るものがあります。

 

今日私たちの多くを苦しめ、時期尚早に死に追いやっている心臓病、脳梗塞、糖尿病、そして乳ガンや前立腺ガン、大腸ガンなどの慢性疾患、および、これらの病気のリスク因子である「メタボリックシンドローム」(腹部肥満、血圧・血糖・コレステロールなどの高い数値)の予防・改善に「ホールフードでプラントベースの食事」が役立つことを、どの研究も首尾一貫して示しています。一方、こうした食事が好ましくない影響を与えることを示す研究は一つもありません。

 

その反対に、動物性食品の摂取量が増加するとともに慢性疾患の罹患率や死亡率が増えていくことや、動物性食品が病気を引き起こすメカニズムについては、この100年ほどの間に行なわれてきた多数の研究が明らかにしています。『葬られた「第二のマクガバン報告」』はその好個の一例です。

 

日本も諸外国同様、戦後、動物性食品の摂取量の増加とともに、心臓病・脳梗塞・糖尿病・乳ガン・前立腺ガン・大腸ガンなどの発病率や死亡率、および、そのリスク因子などが激増しています。1950年と比べ、乳製品の摂取量が18倍、肉類が10倍になったことと比例して、今日、これらの病気の死亡率は、同年比で大腸ガンが14倍、前立腺ガンが88倍、乳ガンが6倍、心不全が10倍、脳梗塞が15倍にも増えているのです。

 

それにもかかわらず、日本のメディアは、世界の最新栄養学や臨床学が明らかにしている「ホールフードでプラントベースの食事の重要性」よりも、「肉や乳製品の摂取こそが、健康長寿の秘訣である」と考える医師や栄養士の見解をいまだに大きく取り上げています。しかも、その背景にある次のような生物学的根拠を聞かされると、人々は混乱したり、プラントベースの食事に対して懐疑的になったりするのも無理はありません。

──肉を食べない人の食事では、筋肉や血管、免疫細胞などの機能を正常に保つのに不可欠なアルブミン合成に必要なタンパク質が不足するため、筋力や免疫機能の低下、血管がもろくなるなどのトラブルが生じ、体力の衰えをはじめ、認知症・脳卒中・心臓病などのリスクが高くなる。鉄や脂肪などの栄養も十分に摂取できない。

 

先日放送されたNHKの『クローズアップ現代』の「高齢者こそ肉を?!~見過ごされる高齢者の栄養失調」(20131112日放送)をご覧になった方の中には、動物性食品を食べていない方もいたことでしょう。そうした人は「やっぱり肉が必要なのでは」となおさら不安を募らせたことでしょう。

 

しかし、ここには大きな落とし穴があります。肉を食べなくても、「ホールフードでプラントベースの食事」をしている限り、タンパク質はもちろんのこと、鉄や脂肪ほかの栄養が不足するようなことにはならない点を人々に伝えていないのです。

 

肉を避けている人がタンパク質、鉄、脂肪などの栄養不足になるのは、その人たちの食事の内容が「ホールフードでプラントベースの食事」ではないからです。『クローズアップ現代』で紹介された、高齢者の食事はその典型的なものでした。

 

朝食は白いパン1切れと牛乳1杯、昼食は白米ご飯を1膳弱と焼き鮭1/2切れ、夕食は白米ご飯1膳弱と野菜炒めの主菜、それにお味噌汁(ほとんどが汁で、具はまったく見えない)と、ごく少量ずつの野菜・煮豆・イモといった副菜の小皿4品です。

 

確かに肉を避けてはいるものの、これではスーパーヘルスを手にすることはできません。このような食事では、タンパク質はもちろんのこと、ファイトケミカルや抗酸化栄養、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸など、免疫力を最大限にして病気を撃退し、エネルギーに満ちた健康体を維持するために必要な栄養は摂取できません。

 

「ホールフードでプラントベースの食事」とは、色とりどりの果物・野菜・豆類、そして木の実や種子類、イモ類、未精製・未加工の穀物などで構成された食事のことです。『クローズアップ現代』で紹介された人の食事では、果物、木の実、種子類、全穀物はまったくなく、野菜の量も圧倒的に不足しています。たとえ肉を食べなくても、健康維持のためには必要な食べ物があります。

 

野菜は小松菜・ケール・チンゲンサイ・ナバナ・ホウレンソウなどの緑葉野菜、ニンジン・カボチャ・パプリカ・トマトなどの色鮮やかな野菜、そしてネギ・ゴボウ・レタス・セロリほかの淡色野菜などを合わせて、毎日700900gとるのが理想です。特に緑葉野菜はタンパク質やファイトケミカル、鉄・カルシウムほかのミネラルの宝庫です。カロリー当たりに含まれるこれらの栄養素の量は、ブロッコリーのほうがステーキよりずっと多いのです(『常識破りの超健康革命』の172ページ参照)。

 

豆はタンパク質が豊富なので、大豆に限らず、アズキや黒豆ほか、色とりどりの豆を毎日12カップ使います。「植物性タンパク質はアミノ酸スコアが悪いため低質で、肉を食べなければ必須アミノ酸を摂取できない」という見解は正しくないことは、『葬られた「第二のマクガバン報告」』(上巻)に詳しく述べられています。スープ、ディプ、チリビーンズ、ハンバーグ、ビーンズローフ、サラダなど、豆の調理法は多彩です。

 

カボチャやサツマイモは、ファイトケミカルや抗酸化栄養、ビタミン、ミネラルなどの栄養素密度が米よりずっと高い糖質源です。木の実や種子類、アボカドは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の宝庫ですから、油を使わなくても、また、肉から脂肪を摂取しなくても、脂肪不足にはなりません。肉に含まれる脂肪は、血管を詰まらせ動脈硬化を引き起こすタイプの飽和脂肪酸で、体にとって必要な脂肪ではないのです。

 

 

 

 

 

ある日の私のお夕食です。
(左下)野菜とレンズ豆のスープ/
(左上)タマネギとマッシュルームとコラードグリーンの蒸気炒め(タジン鍋使用)
(右上)木製サラダボウル入りサラダ(中)サラダを取り分けたもの/
(右下)ビーツのマリネ


※野菜と豆がメインです。スープにはサツマイモ(イモ類)とコーン(全穀物)も入っています。このスープカップは小さいので2杯いただきます。ドレッシングは、ナッツや種子類をベースに柑橘類かベリー類を加えハーブなどを合わせたもので、日によって変えて使っています。




 


 このように自然が与えてくれた未精製・未加工のプラントベースの食べ物で食事を構成すれば、スーパーヘルシーな体づくりに必要な栄養をすべて豊富に摂取することができ、栄養不足にはなりません(『葬られた「第二のマクガバン報告」』(下巻、第11章参照)(注)。

 

みなさん、どうか「ホールフードでプラントベースの食事」は日本のみなさんの多くがイメージしている「菜食主義」や「粗食」とは違う、ということを知っておいてください。きっと『フォークス・オーバー・ナイブズ~いのちを救う食卓革命~』が伝えるメッセージは、洋の東西を問わず、誰にでも役立つ「すばらしい贈り物」だということが納得いただけることでしょう。

 

(注)ビタミンB12は動物性食品をとらなくても腸内細菌によって作られますが、個人差がありますので、ヴィーガン生活を長く続けている方は血液検査をされて、不足している場合はサプリメントで補います。

ビタミンDは日光に当たることによって、体内で合成できます。ただし皮膚ガンを恐れて必要以上に日光を避けていると、十分に合成できませんので注意してください。